2010年9月に発売を開始したSigNASIIを多くのお客さまにご愛用いただく中で、たくさんのご要望をいただきました。その中でも特に多かったのが「受入検査用に大量のNANDフラッシュメモリを一度に試験したい」というものでした。
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ご要望を実現すべく、最大128個の同時測定が可能なSigNAS3を開発しました。従来の解析能力は出来るだけそのままに、同時に128個ものNANDフラッシュメモリを測定するためにGUIやハードウェアに工夫を加えました。SigNAS3を用いることによって、NANDフラッシュメモリの受入検査、信頼性評価、サイクルテスト、エラー要因(Data Retention,Program Disturb,Read Disturb)解析、アクセスタイム測定などを短時間で行うことができます。
SDRはもちろんのこと、Toggle DDR、Toggle DDR2.0、NV-DDR、NV-DDR2など最新NANDインターフェースに対応しています(*1)。また、SLC/MLC/TLCの全てに対応しており、東芝19nm、マイクロン(Micron)/インテル(Intel)20nm、サムスン(Samsung)21nmの最新プロセスNANDでの動作確認済みです。 (*1) Toggle DDR2.0及びNV-DDR2インターフェースのNANDフラッシュメモリに対してもToggle DDR及びNV-DDRモードでアクセスします。
概要
各メーカーのNANDフラッシュメモリを最大128個同時に測定することができる解析システムです。NANDフラッシュメモリの受入検査、動作検証、サイクルテスト、アクセスタイム測定、エラー解析、エラー発生原因の調査、誤り訂正符号の効果測定などを短時間で容易に行うことができます。ビットエラーレートやECC後のページエラーレートを用いたPass/Fail判定、Data Retention や Program Disturb、Read Disturb によって発生するビットエラー、エラー発生分布などを測定することができます。
NANDコントローラをFPGAで実現したメインボード、NANDフラッシュメモリを設置するサブボード、Windowsベースの解析ソフトウェアで構成されます。
特徴
1. メインボード(Sp3993)
- ・最大8台までのサブボードを接続可能
- ・NANDやPCとの通信状況をLED表示
製品仕様
外形サイズ | メインボード:284.5mm x 478.5mm x 51.5mm サブボード:279mm x 170mm x 45mm |
---|---|
電源 | AC:90V~264V (DC:15V/40A) |
消費電力 | 360W ※サブボード8台搭載時 |
耐熱温度 | メインボード:-40~105℃ サブボード:-40~105℃ |
動作温度 | メインボード:0~55℃ サブボード:-40~85℃ ACアダプター:0~35℃ |
NAND測定数 | 最大128個 ※サブボード8台搭載時 |
I/F | USB2.0, USB3.0, Giga Ethernet |
2. サブボード(Sp3993-x)
- 最大16個のNANDフラッシュメモリを搭載可能
- メインボードと最長2mのケーブルで接続可能
(標準セットに付属しているのは1mのケーブルです) - メインボードと接続するケーブルより電源供給
- サブボード1台毎に電源ON/OFFの制御が可能
- NANDフラッシュメモリの電源電圧はPCアプリ上で制御可能
サブボード ラインナップ
型番 | ソケット |
Sp3993-1 | TSOP48 |
Sp3993-2 | BGA132 |
Sp3993-3 | BGA63 |
Sp3993-4 | BGA100 |
Sp3993-5 | BGA152 |
Sp3993-6 | BGA272 |
Sp3993-7 | BGA316 |
3. 解析ソフトウェア
【解析ソフトウェアでできること(抜粋)】
- NANDインタフェースタイミングの設定
- NANDデバイスの電源電圧の設定
- NANDデバイスのID情報やStatusの取得・Bad Blockスキャン、管理
- アクセスタイム測定
- アクセスタイムのP/E Cycle依存性測定
- コマンドの発行(Erase, Program, Read)
- Programパターンの設定(Increment, Pseudo Random, Page Stripeなど)
- Readデータのダンプおよびファイル保存
- P/E Cycle(サイクル数、Programパターンの指定可能)
- スクリプト実行機能(Siglead Script Language; SSL)
- エラーレート測定(Bit Error Rate, Page Error Rate after ECC)
- ECC訂正能力の設定(符号長、訂正可能ビット数)
- Data Retention測定(時間 vs ビットエラー数)
- Program Disturb測定(P/E Cycle vs ビットエラー数)
- エラー分布解析(Page依存性とColumn依存性)
動作可能なNANDデバイス
Toshiba | Samsung | Micron | Hynix | SanDisk | |
SLC | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
MLC | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
TLC | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
3D NAND | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ | |
Async./SDR | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
Sync./Toggle DDR | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ |
RR | ✔️ | ✔️ | ✔️ | ✔️ | |
Prosess | 15nm | 14nm | 16nm | 16nm | 15nm |
- ・ONFI 4.1 / Toggle DDR 2.0 準拠のデバイス(SLC / MLC / TLC / 3D)
- ・NAND Interface : SDR(Asynchronous) / MV-DDR(Synchronous) / Toggle DDR
- ・Package : TSOP 48pin, BGA 63pin/100pin/132pin/152pin/272pin/316pin
- ・最新NANDデバイスで動作確認済み(東芝 15nm, Micron/Intel 16nm, Samsung 14nm)
- ・万が一、動作しないデバイスがあった場合、ご相談頂けますとシステム調整が可能なケースがあります
サポート
ご購入後1年間、電話およびメールによる技術サポートと、解析ソフトウェアのバグフィックスやバージョンアップを無償でご提供します。
1年経過後のサポートには、別途サポート契約が必要です。
納品物
導入していただいたその日から解析をスタートすることができます。
<メインボードセット(Sp3980)>
- ・メインボード(Sp3993)
- ・電源ユニット
- ・解析ソフトウェア
- ・NANDコントローラ回路とファームウェア
- ・操作説明書※USBケーブル及びLANケーブルは同梱されておりません。
<サブボードセット(Sp3980-x)>
- ・サブボード(Sp3993-x)
- ・ケーブル(標準1m、最大2m)
NANDフラッシュメモリテスタ(SigNAS3)に関する技術詳細、最新情報、カスタマイズのご要望など、お問い合わせは 弊社担当者 までご連絡ください。
※記載内容は改良などのため予告なく変更することがあります。